フロンにまつわる法律が改正!変更した内容の詳細とは?

オゾン層を破壊し、地球環境に影響を与える「フロンガス」について、世界的に見直しが行われています。
これを受けて日本でも、フロンにまつわる法律が改正され、考え方や取り扱い方法も変わってきています。
フロンにまつわる法律の内容や、製品の管理方法や処理方法について、今一度確認してみましょう。

覚えておきたい「フロン」とは?


フロンは、炭素、水素、フッ素などを含む化合物のことです。
1920年代、冷蔵庫メーカーが開発したフロンは、開発当初非常に画期的なものとして注目を集めました。
実際に日本でも、冷却機器に多く使用されていたことからも、当時の信頼性がうかがえます。
その後、研究によってオゾン層破壊・温室効果があることが判明し、現在では生産が停止されています。
しかし、生産さえ停止すれば安心できる、というわけではありません。
すでに販売され、各地の家庭や事業所で使用されている製品についても、正しく管理しなければなりません。
2001年6月22日には、管理方法や処理方法を定めるため、フロンにまつわる法律も制定されました。
それでは、フロンにまつわる法律の内容について、さらに詳しく確認していきましょう。

フロンにまつわる法律とは?


フロンの取り扱いに関して、「特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の実施の確保等に関する法律」略称、フロン回収・破壊法が定められました。
この法律は、フロン類を適切に回収・破壊処理するため、その方法や詳細を定めることを目的に施行されました。
時代の流れとともにフロンの扱い方も変化し、2015年4月にはフロン回収・破壊法が改正され「フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律」略称、フロン排出抑制法が施行されました。
改正のきっかけは、エアコンや冷蔵・冷凍機器など身近な製品に使われているフロン類も、漏えいする可能性があると問題視されたことです。
これにより、改正前から定められていたフロン類製品の回収・破壊方法だけでなく、管理方法についても細かく定められました。
なお、改正前後で、対象となるフロン類製品には代わりがありません。

フロン排出抑制法では、フロン類製品の取り扱い方だけでなく、フロンを放出させた場合の対処についても定められています。
故意にフロンを放出することは、フロン排出抑制法では「みだり放出」としています。
みだり放出を行った場合には、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金という罰則が与えられます。

第一種特定製品の定義は?


フロン排出抑制法にて、管理方法を指定されている製品は「第一種特定製品」と名付けられています。

「この法律において「第一種特定製品」とは、次に掲げる機器のうち、業務用の機器(一般消費者が通常生活の用に供する機器以外の機器をいう。)であって、冷媒としてフロン類が充てんされているもの(第二種特定製品を除く。)をいう。
一 エアコンディショナー
二 冷蔵機器及び冷凍機器(冷蔵又は冷凍の機能を有する自動販売機を含む。)」

上記のことから、フロンを使用している業務用のエアコンや冷蔵庫は、注意して扱わなければいけない「第一種特定製品」にあたることが分かります。
さらに、ポイントは「冷蔵機器及び冷凍機器」という部分です。
フロンを使用した冷蔵や冷凍を目的の製品であれば、冷蔵庫や冷凍庫に限らずすべての製品が含まれます。
例えばウォータークーラーやリーファーコンテナも、第一種特定製品に分類されます。
第一種特定製品かどうか見極めるポイントは、取扱説明書や製品の銘板・シールです。
これらを確認すると「第一種特定製品」と表示されている場合があるため、使用中のものはよく確認しましょう。
不安な場合には、メーカーに問い合わせてください。

また、海外製の製品であっても、条件を満たしていれば第一種特定製品として扱われます。
法律上、製品の製造元は関係なく、日本で利用しているのなら日本の法律に準拠する必要があるためです。

家庭用の製品や、カーエアコンについてはフロン排出抑制法の対象ではありません。
しかし、家電リサイクル法や自動車リサイクル法にて、フロン排出抑制法と同じように回収が義務付けられているため、それぞれの法律に従って正しい処理を行ってください。

第一種特定製品を管理するときにすべきこと


第一種特定製品を廃棄するときには、第一種フロン類充てん回収業者に引き渡し、委託する必要があります。
その際には、改正によって新たに定められた「行程管理制度」に従い、回収依頼書を交付しなければいけません。
第一種特定製品管理者は、契約時に充てん証明書や回収証明書を確認し、きちんと管理しておきましょう。
それらの証明書はフロン類の漏えい量を算定するためにも使用されます。

第一種特定製品は、管理する上でもさまざまな義務が発生します。
特に需要なのが、定期点検と、簡易定期点検です。
定期点検は、専門業者など十分な知識を有する人によって行われる、外観の損傷や油にじみ、錆び、腐食などの点検のことです。
定期点検の頻度は3か月に1回以上と定められており、細かな部分まで点検して漏えいがないことを確認しなければいけません。
また、点検時の内容についてきちんと記録し、保存しておくことも義務づけられています。

簡易定期点検は、第一種特定製品の持ち主、管理者が行う点検のことです。
主に目視で、外観の損傷をはじめとした異変が起きていないか、よく確認します。
万が一異変が見られた場合には、すみやかにその旨を専門業者に報告し、詳細の検査を行わなければいけません。

現在、第一種特定製品を使用している場合には、点検のことを忘れてしまうことも少ないでしょう。
注意しなければならないのは、第一種特定製品について「以前は使っていたけれど、現在は使用していない。しかし、今後使用する可能性もあるため、処分せず普段は物置で管理している」というようなケースです。
現在使用していないのであれば対応は不要と考えてしまうかもしれませんが、3ヶ月に1度以上、定期点検を行う必要があります。
しかしこの場合の定期点検は、簡易的なものでいいとされています。
電源を入れて通常使用時と同じ状態にしてから点検する必要はなく、内部や周囲を目視点検するだけでかまいません。
だからこそ、忘れずにきちんと定期点検を行い、思わぬ事故を招かないよう管理体制を整えましょう。

もし、漏えいが見つかった場合には、すみやかに専門業者を呼び、漏えい箇所や漏えい量について調査を行ってもらいます。
また、算出した漏えい量は、きちんと記録をとっておかなければいけません。
さらに、フロン排出抑制法の第十九条では、次のように定められています。

「第一種特定製品の管理者(フロン類算定漏えい量(第一種特定製品の使用等に際して排出されるフロン類の量として主務省令で定める方法により算定した量をいう。)が相当程度多い事業者として主務省令で定めるものに限る。)は、毎年度、主務省令で定めるところにより、フロン類算定漏えい量その他主務省令で定める事項を当該第一種特定製品の管理者に係る事業を所管する大臣に報告しなければならない。」

この内容に基づき、フロン漏えい量が多い場合には、きちんと報告しなければなりません。
点検、記録、報告とそれぞれの義務をしっかり果たすことが、管理者の責任です。
点検を忘れ、漏えいを見落としてしまうことがないよう、また漏えいに気付いていながら不適切に処理することがないよう、注意深く対応してください。

まとめ

環境問題への関心が強くなるほど、フロンにまつわる規制も厳しくなっていきます。
オゾン層を保護し、地球温暖化を食い止めるためには、フロン類に対して正しく理解する姿勢が欠かせません。
第一種特定製品を所有している場合には、放置してしまうことがないよう正しい管理体制と定期的な調査を徹底しましょう。

 

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