具体的にSDGsに貢献していくためには?-SDG Compasの活用法について①

 

SDGs達成に向けたSDG Compassの活用


 最近新聞等でも目にする機会が増えるようになった言葉の1つにSDGsがあります。SDGsとは、2015年9月の国連サミットで採択された、地球規模において持続可能な開発を行っていくために掲げられた、2030年までの国際的な目標のことです。更に詳しく知りたい方は是非以下の記事を参考にしてください。

あのピコ太郎とコラボ!?全世界が取り組む「SDGs」とは?

さて、ESG投資等の盛り上げ理を背景にして、このSDGsやCSR、CSV活動が現在企業において注目を集めています。しかし、実際にそれらを実践し、対外発信しようとしても躓いてしまうケースも多々あると考えられます。そこで、そのような企業とSDGsのためのCSRやCSV的な活動との橋渡しの役割を担うのが”SDG Compass”です。このSDG Compassは国連グローバル・コンパクトやGRIが協力して作成されたもので、SDG Compass内において、『各企業の事業にSDGsが もたらす影響を解説するとともに、持続可能性を 企業の戦略の中心に据えるためのツールと知識を 提供するものである。』と定義されています。こちらについても詳しく知りたい方は是非以下の記事を参考にしてください。

SDGs×企業~「SDG Compassから見る企業が実践すべき5つのステップ~

そしてこの記事内にても紹介されているように、上記のような活動を行うには5つのステップが存在し、中でも肝となるのが、Step.2の「優先課題を決定する」です。これはその企業の事業活動領域や競争優位性によって、企業それぞれの強み、貢献可能な量やその効果が異なってくるからです。以下では、このプロセスにおいて具体的にどのようなことをすればいいのかを、SDG Compassを参照にしつつ進めて行きたいと思います。

 

優先課題→マテリアリティとその決定とは?


 上記のような優先課題のことは、CSR領域において重視されるマテリアリティと深く関係しています。このマテリアリティとは、CSR活動を行う上で、様々な課題の中でも、課題解決により企業だけでなく、社会全体のステークホルダーに対して、特に大きな影響を与える、優先順位の高い課題のことを言います。そして、この以前から存在しているマテリアリティの特定に、SDG Compassにおける優先課題決定のプロセスが応用できる可能性があるのです。そこで、以降ではこのSDGsにおける優先課題決定のプロセスを確認していきましょう。

優先課題の決定とは、自社がSDGsに対して最も貢献できるような課題を決定することを意味します。実際にSDG Compass本文においては、

SDGs がもたらす機会や課題を活かすため、各企業の優先課題の所在を明らかにすることにより、取組みの重点化を図ることができる。[中略]17 の SDGs すべてが各企業にとって等し く重要であるわけではない。各目標に対して各企業が貢献できる程度や、各目標に付随するリスクや機会は、多くの要因に左右 される。

とされており、闇雲なCSRやCSV活動ではなく、それぞれの企業に適したものを特定する必要があるのです。

更に、この優先課題決定の決定をマテリアリティに接続させる具体的なプロセスとしては、

1,バリューチェーンのマッピング化による全体的な影響領域の把握

2,その影響と企業活動を繋げる指標の選択とそのデータ収集

3,具体的なマテリアリティ決定

が上げられています。そしてSDG Compassに基づいた優先課題決定に際して重要となるのが、バリューチェーンと、企業活動の与える影響を認識するためのロジックモデルの活用が重要となります。以下ではこれらに焦点を当てつつ、優先課題決定→マテリアリティの流れを追っていきます。

 

「バリューチェーンのマッピング化による全体的な影響領域の把握」

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 このプロセスでは、自社の関わるバリューチェーン全体の見直しを行い、区分したバリューチェーン各領域で行うことが出来る、自社の活動範囲にとらわれずに、最大の正負の影響を与えられる領域を特定します。そして、ここでの最大のポイントは、企業の行動はその種類によって自社の活動範囲以上の川上や川下においても、SDGs解決に最大限貢献する活動が存在する可能性を秘めているということです。これを発見するには、

・現在と将来

・事業活動場所とSDGs達成度の低い地域との空間的距離

の観点から、その影響の評価を行うことが肝要であり、かつ

・ステークホルダー等と協働

することにより、より自社だけでは見えにくい領域や対象、効果をを特定することができるのです。

これを図に示したのが以下です。ここで、各企業は自身の直接関わる各事業領域における、SDGs達成に最大限貢献できるような活動を模索し、それらを優先課題として特定しています。加えて、サプライヤーとの連携により、原料の確保においても最大の貢献が出来る可能性が示唆されているのです。

(出典:SDG Compass SDGsの企業行動指針 —SDGs を企業はどう活用するか—)

 

更に次回の記事では、以降の2プロセスについて分析していきます!

 

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